2017年11月25日土曜日

#10

みなさんお元気ですか?私は、2008年卒業の田中彩香と申します。

 大学卒業後、小学校での勤務を経て、現在は倉敷市の中学校に勤務しています。
 私の職業は保健室の先生(養護教諭)です。救急処置や健康診断はもちろん、学校の環境を整えたり、心や体について相談を受けたり、保健の授業に関わったりします。養護教諭の仕事は、子どもたちが学校生活を安全・健康に送れるようにサポートすることです。養護教諭は学校に一人しかいないため、たくさんの先生方に協力してもらいながら、日々の仕事をしています。

 私が作りたい保健室は、生徒が肩の力を抜いてホッとできる場所です。また、SOSを発信できる雰囲気作りを心がけています。保健室に入ってきたときより、少しでも顔を上げて教室へ戻っていってほしい。保健室での時間が、少しでも子どもたちの力になっていてほしい……それが私の願いです。
 子どもたちの多くは周りの様々なことに対して、敏感に感じ、考え、悩んでいます。毎年、受験を控えたこの時期の3年生は、成績や進路、自分の未来について考えています。一人で悩むのは苦しいです。自分に向き合うことは、かなりパワーが必要です。でも、目の前にある大変なことを乗り越えたら、大切なこととして自分に返ってきます。卒業していく生徒を見たら、「苦しい時間を乗り越えたから、こんなにいい笑顔で卒業を迎えられるんだろうな」と感じます。大変なことの大切さ。それを教えてくれるのは子どもたちです。私自身にも言い聞かせます。大変なことも、大切な子どもたちのためなら乗り越えられる!

私は3年生の卒業前日、一人ひとりに、小学校1年生から中学校3年生までの「成長の記録」を渡しています。それに結んであるリボンの長さは、9年間で伸びた身長と同じ長さです。子どもたちの顔を思い浮かべながらリボンの長さを測るとき、なんとも言えない温かい気持ちになります。自分自身も成長でき、子どもたちの成長も見守ることができる、素敵な仕事に出会えました。

作陽生のみなさん。これからいろんな壁に直面するときがくると思います。「大変なこと=大切なこと」。時には肩の力を抜いて深呼吸……周りにはみなさんを支えてくれている人がいます。高校時代に出会った友達や先生は、今でも私の心の支えです。今ある時間を大切に過ごしてください。