みなさんお元気ですか?私は、2008年卒業の田中彩香と申しま
す。
大学卒業後、小学校での勤務を経て、現在は倉敷市の中学校に勤務
しています。
私の職業は保健室の先生(養護教諭)です。救急処置や健康診断は
もちろん、学校の環境を整えたり、心や体について相談を受けたり
、保健の授業に関わったりします。養護教諭の仕事は、
子どもたちが学校生活を安全・健康に送れるようにサポートするこ
とです。養護教諭は学校に一人しかいないため、たくさんの先生方
に協力してもらいながら、日々の仕事をしています。
私が作りたい保健室は、生徒が肩の力を抜いてホッとできる場所で
す。また、SOSを発信できる雰囲気作りを心がけています。保健
室に入ってきたときより、少しでも顔を上げて教室へ戻っていって
ほしい。保健室での時間が、
少しでも子どもたちの力になっていてほしい……
それが私の願いです。
子どもたちの多くは周りの様々なことに対して、敏感に感じ、考え
、悩んでいます。毎年、受験を控えたこの時期の3年生は、成績や
進路、自分の未来について考えています。一人で悩むのは苦しいで
す。自分に向き合うことは、かなりパワーが必要です。でも、目の
前にある大変なことを乗り越えたら、大切なこととして自分に返っ
てきます。卒業していく生徒を見たら、「
苦しい時間を乗り越えたから、こんなにいい笑顔で卒業を迎えられ
るんだろうな」と感じます。大変なことの大切さ。
それを教えてくれるのは子どもたちです。私自身にも言い聞かせま
す。大変なことも、大切な子どもたちのためなら乗り越えられる!
私は3年生の卒業前日、一人ひとりに、小学校1年生から中学校3
年生までの「成長の記録」を渡しています。
それに結んであるリボンの長さは、9年間で伸びた身長と同じ長さ
です。子どもたちの顔を思い浮かべながらリボンの長さを測るとき
、なんとも言えない温かい気持ちになります。
自分自身も成長でき、子どもたちの成長も見守ることができる、素
敵な仕事に出会えました。
作陽生のみなさん。これからいろんな壁に直面するときがくると思
います。「大変なこと=大切なこと」。
時には肩の力を抜いて深呼吸……周りにはみなさんを支えてくれて
いる人がいます。高校時代に出会った友達や先生は、
今でも私の心の支えです。今ある時間を大切に過ごしてください。